「ダイエット」と聞くと、とにかく食事量を減らすことを想像しがちですが、筋肉を維持しながら体重を減らすためには、やみくもにカロリーを制限するだけでは逆効果です。
1. タンパク質は「絶対的エース」
筋肉の材料となるのは、紛れもなくタンパク質です。体重を減らす過程でカロリー摂取量が減ると、体はエネルギー源として筋肉を分解してしまうことがあります。これを防ぐためには、食事から十分なタンパク質を摂ることが非常に重要です。
目安としては、体重1kgあたり1.5g~2gのタンパク質を目標にしてみましょう。例えば、体重60kgの方であれば、1日に90g~120gのタンパク質を摂ることを意識すると良いでしょう。
タンパク質を多く含む食品例:
- 鶏むね肉(皮なし)、ささみ
- 魚類(鮭、マグロ、サバなど)
- 卵
- 大豆製品(豆腐、納豆など)
- 乳製品(ヨーグルト、低脂肪牛乳など)
これらの食材を毎食バランス良く取り入れることで、筋肉の分解を抑え、効率的にダイエットを進めることができます。
2. カロリーは「摂りすぎず、不足しすぎず」
筋肉を減らさずに体重を減らすには、**消費カロリーが摂取カロリーを上回る「アンダーカロリー」**の状態を作る必要があります。しかし、極端なアンダーカロリーは、先述の通り筋肉の分解を招く原因となります。
無理のない範囲で、基礎代謝量(生命維持に必要な最低限のカロリー)に活動量を加えた総消費カロリーよりも少しだけ少ないカロリー摂取を目指しましょう。具体的なカロリー計算は個人の年齢、性別、活動量によって異なりますが、まずは普段の食事内容を見直すところから始めるのがおすすめです。
ポイント:
- 糖質は、体を動かすエネルギー源として重要ですが、摂りすぎると体脂肪として蓄積されやすくなります。完全にゼロにするのではなく、白米を玄米に変える、パンや麺の量を調整するなど、**「質」と「量」**を意識して摂取しましょう。
- 脂質は、少量でも高カロリーになりがちです。揚げ物や加工食品に含まれる不要な脂質は避け、**良質な脂質(アボカド、ナッツ、オリーブオイルなど)**を適度に摂るように心がけましょう。
3. 食事の「タイミング」も意識する
食事のタイミングも筋肉の維持に影響を与えます。特に、運動後30分~1時間以内にタンパク質と糖質を摂取することで、筋肉の回復と成長を促すことができます。また、朝食をしっかり摂ることで、日中の活動に必要なエネルギーを補給し、代謝を活発にする効果も期待できます。
継続が成功への道
健康的に体重を減らし、筋肉を維持する食事法は、決して特別なことではありません。日々の食生活の中で、意識的にタンパク質を摂り、適切なカロリーコントロールを行うことの積み重ねです。
時には外食や付き合いで食事が乱れることもあるかもしれません。そんな時は、翌日の食事で調整するなど、完璧を目指しすぎずに、**「継続すること」**を最優先に考えましょう。
焦らず、楽しみながら食事と向き合うことが、理想の体と健康を手に入れるための近道となるはずです。